MT4でのトレール注文

今回はMT4での「トレール注文」のお話をします。

トレール注文とは

トレールストップ、トレイリングストップなどと呼ばれ、決済の逆指値注文価格が相場の動きに合わせて自動的にあとをついて行く方法です。
これはある程度の期間、ポジションを保有する場合の方法なので、スキャルピングではあまり使われません。

MT4での設定方法はターミナルウィンドウにあるポジションを右クリックすることで、「トレイリング・ストップ」の項目が出てきます。
この時にポイント単位(提示レートの最小単位)で設定を行います。

一般的な逆指値注文は「買い注文」の場合はその価格以上、「売り注文」の場合は指定価格以下になった時点でオーダーする方法で、損失を限定する場合や、トレンドに乗りたい場合に使用します。
どちらかというと損失幅を限定したい場合のリスク管理がメインと思われますが、トレンドにうまく乗っていた場合に、大きく含み益がでたものの結果的にスタートの水準になるまで決済されず「いってこい」状態になって、うまく利益が取れない可能性もあります。

トレール注文であれば、設定した決済価格までの幅が値動きを追跡するように移動しますので、大きく動いたあとに相場が反転した時にそれまでに得た利益をとることも可能です。

ただし、デメリットもあります。

〇設定した幅以上、動いてから、発動します。
ポジションが方向通りに動き「含み益」が出てから、その分の利益を確保するイメージです。
注文が有効になりますと、決済逆指値(S/L)の部分がピンク色に変わります。
そのため、設定後ポジションと反対方向に動いた場合は、無効なままでマイナスが膨らんでしまうことになります。

〇MT4を立ち上げていないと発注しない。
トレール注文は実際にサーバーへ注文を出すのではなく、お客様それぞれのPC上(MT4ターミナル内)にとどまる発注方法です。そのため、値段について動く時も発注する時もMT4にログインしている必要があります。
解決策としては、注文を見ている時だけに限定しこまめに管理する方法や、常時稼動させているVPS(バーチャル・プライベート・サーバ)で運用する方法などが考えられます。

〇設定幅によっては、トレンド途中で決済されます。
トレンド相場であっても、一般的には上下を繰り返して動きます。そのため、設定幅によっては、利益確定などで一時的にトレンドと反対方向に動く「相場の踊り場」で決済されてしまい、その後、とれたはずの値動きがとれない場合があります。
単純に幅を広げるだけでは、結果的にマイナスになってしまう可能性も高いので、直近の抵抗線などを確認し、調整していく必要があります。

〇最高値、最安値で決済されることはありません。
その性質上、一度ついた価格が反転し、一定の幅に達した時点での発注となりますので、これはそういった注文だと割り切るしかありません。
とはいえ、転換時の一瞬である最高値、最安値を取るのは難しいですし、その天井圏や底値圏は方向感が定まらない状態となるケースも多いです。
相場の格言にも「頭と尻尾はくれてやれ」とあるように、狙うものではなく、結果として取れたというケースがほとんどだと思います。

トレイル注文は、トレンドに乗って利益を伸ばしつつ、損切ポイントを最小限とする方法ですが、あくまで損失を防ぐ目的の注文です。
あまり有効ではないと考えるトレーダーもいらっしゃるようですが、結局はその時の相場次第かと思います。もちろん、利益確定については、指値で狙った方がより多く取れる場合があります。
そのまま、トレイリングストップで利益を追求する方法でもいいですし、きちんとした利益目標額や価格到達点で決済する方法など、お客様ご自身に合った取引スタイルでご活用ください。

 
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